Polygon創始者との対話：貧困から抜け出し、時価総額300億ドルの暗号企業を築く

出典：《When Shift Happens》, Youtube

翻訳：Felix, PANews

祖父母の召使いだった倉庫から一歩一歩努力して、Polygon創設者のSandeep Nailwalは時価総額300億ドルのブロックチェーン企業を築き上げた。Sandeep Nailwalは毎日18時間働き、PolygonをStripeなどの企業のグローバルペイメントプラットフォームにすることに尽力している。以下はPANewsによる《When Shift Happens》ポッドキャストのインタビュー要点。

司会者：あなたのチームは、どんな時間帯でもすぐに返信していると聞いています。あなたは毎日あまり寝ていないのですか？

Sandeep：はい、私は寝ますが、頭は常にPolygonのことを考えていて、24時間オンラインです。

司会者：普段の生活リズムはどんな感じですか？

Sandeep：私の生活リズムはかなり逆です。3歳半の息子がいて、仕事の時間はアメリカ時間に合わせているので、午後2時以降に本格的に忙しくなり、夜11時から12時まで働き続け、午前2時から2時半に寝ます。時には息子が朝7時から7時半に起きて一緒に遊びます。だから、しばしば4～5時間しか寝ません。

司会者：以前、TetherのCEO Paoloにインタビューしたとき、彼は11年間毎晩5時間しか寝ず、通知を見るために毎時間目を覚ますと言っていました。

Sandeep：Paoloが操るのはもっと大きな“船”です。彼とは非常に良い関係です。彼は超優秀で、狂っている人でもあります。彼は自分のビジョンに完全に没頭しています。私が知る限り、Tetherのように小さくても、皆がブロックチェーン精神を信じているチームは見たことがありません。本当に個人の主権を持つ通貨システムを作りたいと思っています。だから今の成功も全く驚きません。

司会者：あなたの使命は何だと思いますか？

Sandeep：私の使命はいつも言っている“主権個人”です。暗号通貨分野にいる多くの人は通貨システムの構築を望んでいます。これは自由な個人の通貨システムであり、個人は自分の資産を自由に操るべきです。私が本当に望むのは、完全な個人の主権です。お金だけではなくて。お金は文明の産物であり、文明は「制御された暴力」、つまり法律と秩序の上に築かれています。今、我々はグローバル通貨やビットコインなどに取り組んでいますが、真の国境のない世界を実現するには、お金だけでは不十分で、「制御された暴力」の層も非中央集権化する必要があります。

これはSFのように聞こえますが、実際にはすでに可能になりつつあります。将来的には、ドローンやロボット警察部隊が、完全に非中央集権化されたAIによってコントロールされる日も来るでしょう。特定の企業や政府が支配するのではなく、人類全体が管理する“スーパー脳”のようなものです。憲法を持ち、全ての人の安全を守るために運用される。このように国境は真に打ち破られ、個人の自由が実現します。だから私はSentient AIを共同設立しました。他の3人の創設者はフルタイムで取り組んでいます。私はPolygonで忙しいですが、これは私の心の奥底にある最も深い目標です。AIと人類の利益を一致させ、最終的には外部ガバナンスとコントロールを実現することです。

SFのように聞こえますが、Polygonや暗号業界がより安定したら、さらに多くの投資をするつもりです。今、暗号は本格的な実用段階に入りつつあり、DeFiは実用的な分野ですが、70～80％の貸借はレバレッジ投機です。今は安定したコインやクロスボーダー決済が台頭し始めています。私はこの事業にすでに8年関わっており、あと10～15年続けて、完全に主流になったら次に何をするか考えるつもりです。

司会者：あなたは一体誰ですか？

Sandeep：私は完全な主権を持つグローバル市民になりたいと願う人です。私は法律を守っていますし、皆も守るべきだと思いますが、誰もが「退出」の権利を持つべきです。20年、30年、40年後には、自分の小型宇宙船を持ち、すべてのシステムから離れて飛び立ち、太陽系の中を自由に漂うことも想像できます。その時には、どの政府にも支配されない通貨システムと中立的な警察システムが必要であり、その時代の人類と覚醒したAIが生命（AIも含む）を守るのです。誰もが自分のルールに従って生きられる世界です。だから私は自由にとてもこだわります。多分、インド出身だからもあるかもしれません——多くの人は知らないかもしれませんが、インド文明の最も核心的な価値は「自由」であり、何千年もそれは変わっていません。

司会者：あなたの人生で何が起きて、成功に対してそんなに飢えているのですか？

Sandeep：この質問はずっと考えています。子供の頃は本当に苦労しました。以前もいくつかのポッドキャストで話しましたが、私のインドでの子供時代はほぼ第三世界の状態でした。祖父と祖母は裕福な家庭の召使いでした。そこで知り合い、後に結婚させて私の両親が誕生しました。学校では常に成績トップで、どこに行っても尊敬されましたが、家に帰ると全く別の世界でした。

21、22歳の時は友達を家に連れて行くのも怖かったです。家の中は五人家族と小さな台所だけでした。リビングも寝室もなく、一部屋だけです。私たちは他人の家の二階の屋根の上に一時的に設置された収納スペースに住んでいました。家主は家賃を増やそうと借りていたのです。夏は蒸し暑くてたまりませんでした。5、6歳の頃、祖父はまだ生きていて、その家の主人が亡くなり、大きなホテルを残しました。祖父は管理人になりました。時々、家主が来ない日もあり、その時祖父は私を連れて遊びに行きました。その頃は無邪気に、その大きな家が自分の家だと思っていました。帰宅して友達に自慢し、「これが俺の家だ」と言っていました。多分、その時から、「負けたくない」という気持ちが芽生えたのでしょう。子供の頃から、「大人物になりたい。小さなことはやらないし、失敗も受け入れない」とずっと言ってきました。でも、成功の方法は全くわからず、みんなに笑われていました。

司会者：どうやってブロックチェーンと暗号通貨に関わるようになったのですか？

Sandeep：以前も言ったと思いますが、最初はビットコインで始めたわけではありません。何度もビットコインを見て、詐欺まがいのマルチ商法のように感じて無視していました。それには何の裏付けもなく、価値があるとは思えませんでした。

しかし、2016年末か2017年初めに、イーサリアムのホワイトペーパーとVitalikのブログを初めて読んだとき、非常に感動しました。無数の人々が共同で動作し、誰も単独で所有できず、永遠に稼働し続けるコンピューターを作り出すというアイデアです。次に浮かんだのは、それに複雑なビジネスロジックを書き込み、何が起きても、それを一字一句正確に実行し続けることができたらどうかということでした。当時はこれこそ世界を変えるものだと思いました。それから本格的に関わり始め、今に至ります。

司会者：Polygonを始めてから8年間で、最も困難だった時期はいつですか？

Sandeep：最初の1年半は何度も資金不足で給料を払えそうになかったです。2019年12月が最も辛かったです。朝起きたら、誰かが大量に空売りしているのを見つけて、MATIC（当時はMATICと呼ばれていました）が一日で70％下落しました。ネット上では私が詐欺師だと非難されましたが、それは一時的な出来事に過ぎません。最も難しい時期は今です——Polygonにとっては、常に今が最も難しいのです。

司会者：Polymarketがブロックチェーン上に構築されている理由は何ですか？

Sandeep：これは非常に良い質問です。多くの競合の市場データはブロックチェーンに載っていません。もし2つのプラットフォームのユーザーエクスペリエンスがほぼ同じなら、ひとつはブロックチェーン上：自分のコンテンツ、資金、ファンを所有できる、もうひとつは中央集権的です。答えは明白で、よりオープンな方を皆選びます。今やPolymarketはネットワーク効果を実現しており、検証可能性、透明性、信用を持ち、誰が競争しても長期的にリーダーシップを維持できるのです。

司会者：しかし、なぜPolygonチェーンなのですか？

Sandeep：2020年、Polygonは最も成長が速いブロックチェーンでした。一方、Ethereumは当時コストが非常に高かったです。Polygonを選んだ理由は、ブロックチェーンのネットワーク効果に関係しています。

司会者：AIとブロックチェーンの交差点が人類の未来にとってそんなに重要な理由は何ですか？

Sandeep：ブロックチェーンは支払いプラットフォーム、AIはインテリジェントプラットフォームで、技術的には直接関係ありません。でも重要なのは、AIは人類史上最大の中央集権力であり、現在、唯一権力の分散を推進している技術が暗号通貨です。

司会者：なぜあなたは慈善活動にこれほど注力しているのですか？

Sandeep：誰もが人生で苦難を経験します。その後、二つの選択肢があります。一つは、私が苦労したのだからあなたたちも苦労しなさい。もう一つは、私が苦労したから、皆の苦労を少なくすることです。私は後者を選びました。純粋に自分の幸せのためです。

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