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主力資金監視手法:契約市場における建玉数&ロング・ショート比率の活用

「取引コンセプト総まとめ」シリーズの記事で、以前にTakerを使った主力資金の監視方法をご紹介しましたが、今回はもう一つの主力の建玉方向を監視する分析方法、すなわち建玉(オープンインタレスト)とロング・ショート比率の組み合わせ活用について解説します。

(前回までのおさらい:ビットコイン2021年ダブルトップ構造を例に「未来データ漏洩」とは何かを解説) (背景補足:私がブレイクアウト取引を絶対にやらない理由:マーケットメイカーによる流動性狩りの罠)

建玉(Open Interest)について まず、建玉(Open Interest、略してOI)の概念について説明します。

先物・デリバティブ市場では、現物の買い・売りが実際に発生するわけではありません。そのため、契約市場は純粋な「賭けの場」と言えます。あなたが契約市場で10,000uのロングを建てると、必ず誰かが同額のショートを建てています。

建玉の増減ルールは以下の通りです:

誰かがロング+誰かがショート=建玉増加 ロング決済+ショート決済=建玉減少 ロング新規+ロング決済=建玉変化なし ショート新規+ショート決済=建玉変化なし

念のため補足します: ロングポジションを決済する際は実際には「売り(Sell)」操作となります。同様に、ショートポジションを決済する際は「買い(Buy)」操作となります。

ロング・ショート比率について ロング・ショート比率はもっと単純です:市場で「ロングしている人数」と「ショートしている人数」の比率を指します。

ロング・ショート比率 > 1の場合、ロングしている人数がショートしている人数より多いことを意味します。逆もまた然りです。

簡単に言えば、ロング・ショート比率は「人数(アカウント数)」をカウントします。あなたが100uのロングをしても、100万uのロングをしても、人数は+1です。

組み合わせ活用 上記2つを組み合わせることで、主力資金の監視という基本的な活用法が得られます。

簡単な図も作成しましたので、理解の助けになれば幸いです。以下、詳細な解説です:

1⃣ 建玉上昇+ロング・ショート比率下降 建玉が短期間で大幅に上昇していれば、大口資金が建玉していることを示します;ロング・ショート比率が下降していれば、主力の建玉方向は「ロング」です。 理由:突然大口建玉が発生すると、orderbook上の大量の指値注文が上方向に消化され、多くの個人投資家のショート指値注文が約定し、ロング・ショート比率が急落します。

2⃣ 建玉上昇+ロング・ショート比率上昇 同様に、建玉が短期間で大幅に上昇していれば大口資金の建玉です;ロング・ショート比率が上昇していれば、主力の建玉方向は「ショート」です。 理由:突然大口建玉が発生すると、orderbook上の大量の指値注文が下方向に消化され、多くの個人投資家のロング指値注文が約定し、ロング・ショート比率が急上昇します。

3⃣ 建玉下降+ロング・ショート比率上昇 建玉が短期間で大幅に下降していれば、大口資金が決済をしていることを示します;ロング・ショート比率が上昇していれば、主力が「ロングポジションを決済」しています。 ここは少し複雑です: 「大口資金がロングを決済=Sell操作。資金量が大きいため、orderbook上の個人投資家のロング指値注文を大量に消化し、個人投資家が自動的にロング約定→ロング・ショート比率が上昇。」

4⃣ 建玉下降+ロング・ショート比率下降 建玉が短期間で大幅に下降していれば、大口資金の決済です;ロング・ショート比率が下降していれば、主力が「ショートポジションを決済」しています。 同上: 「大口資金がショートを決済=Buy操作。資金量が大きいため、orderbook上の個人投資家のショート指値注文を大量に消化し、個人投資家が自動的にショート約定→ロング・ショート比率が下降。」

注意事項&まとめ 分析の際、いくつか重要なポイントに注意してください:

ロング・ショート比率は絶対値を見るのではなく、相対変化を見るべき 一部の銘柄のロング・ショート比率は、大半の時間で1以外の平均値に位置しているため、1を基準値とするのはおすすめしません。

大口資金=常に賢いとは限らない 大口資金はたしかに強い傾向がありますが、必ずしもミスをしないわけではありません。この分析手法も100%勝率ではありません。

BTCに絶対的な主力は存在しない 私はBTCの監視ではこのロジックをあまり使いません。BTCの参加者が複雑で時価総額も大きく、単一の主力がBTCを直接コントロールすることはできません。

BTCよりアルトコインに有効 前述の通り、altsは時価総額が小さく、マーケットメイカー(庄家)が潜んでいる可能性が高いです。

理想的なパターン 通常、OIが大幅上昇する際は既に価格も動いていることが多いため、私たちが最も望むのは「OIがじわじわ上昇しつつ、価格は横ばい」という状況です。これは主力が潜伏・建玉中の可能性を示し、この時にロング・ショート比率で方向を特定すれば良いでしょう。

以上が本日のシェアとなります。少しでも皆さんのお役に立てましたら幸いです。ここまで読んでいただきありがとうございました。

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