2025年の金融市場は興味深い対比の光景を呈しています。S&P500指数は累積上昇率が16%以上となり、再び史上最高値を更新しました。一方で、ビットコインは年初に3%下落し、後半にはその下落幅がほぼ18%に拡大しています。特に注目すべきは、この逆方向の動きが2014年以来初めてのことであり、長らく続いた両者の連動パターンを破った点です。

なぜこのようなことが起きているのでしょうか？その理由は多岐にわたります。規制政策の不確実性が市場の頭上に常に影を落とし、ビットコインETF商品の登場によりアクセス性は向上したものの、市場の勢いを削ぐ結果となり、機関投資家の参加度の変化も価格形成に影響しています。同時に、市場のレバレッジ水準や流動性環境の微妙な変化も、密かにビットコインのパフォーマンスに影響を与えています。

一方、伝統的な株式市場を振り返ると、企業の四半期利益が予想を頻繁に上回り、AI関連銘柄の堅調なパフォーマンスも相まって、米国株の継続的な上昇を支えています。両市場の根底にあるロジックは、すでに明確な分化を見せ始めています。

この相関性の弱まりは、多くの人の資産配分戦略を変えるきっかけとなっています。ビットコイン関連の上場企業株や鉱業会社の株式を保有する投資家も、圧力を感じ始めています。機関投資家の見通しも分かれつつあり、楽観的な見方もあれば慎重な見方もあります。今後の規制政策の調整、流動性の回復時期、市場構造の再構築が行われるかどうかといった変数が、ビットコインの次の動きを左右する重要な要素となるでしょう。