豪ドル対米ドルは引き続き上昇中！市場は中央銀行が緩和サイクルを終えることを期待し、利上げの準備が整いつつある

オーストラリア準備銀行の緩和時代は間もなく終わるかもしれません。内需の勢いが衰えず、インフレが依然高水準にある中、通貨市場ではオーストラリア準備銀行の政策転換への期待が高まり、利上げの確率が大幅に引き上げられています。

家計支出の好調が豪ドル高を牽引

12月4日にオーストラリア統計局が発表した最新データが市場の注目を集めています。10月の家計支出は前月比1.3%増で、市場予測の0.6%を大きく上回り、年率では5.6%の伸びを示し、予想の4.6%を上回っています。このデータは、オーストラリアの消費需要の堅調さを直感的に反映しています。

好調な支出データに刺激され、豪ドル対米ドル（AUD/USD）は上昇し、執筆時点で0.6615を記録し、1か月ぶりの高値を更新しました。同時に、オーストラリアの3年物国債利回りは4%の節目を突破し、今年1月以来の高水準に達しています。

インフレは減速せず、市場の見通しが変化

以前にオーストラリア統計局が公表した10月の消費者物価指数（CPI）は前年比3.8%上昇で、市場予測を上回り、インフレ圧力が予想された緩和の兆しを示していないことを示しています。

これらの兆候を踏まえ、ケイタブ・マクロ経済学者のAbhijit Suryaは次のように指摘しています。「オーストラリアの家計支出の著しい増加は、オーストラリア準備銀行が追加の利下げ余地を持たないことを確認しています。リスクとしては、政策が急速に引き締めに転じる可能性があることです。」

央行は据え置き、利上げ期待が高まる

オーストラリア準備銀行は12月9日に最新の金利決定を発表予定です。今年はすでに3回の利下げを行っていますが、インフレ圧力が続く背景の中、市場は基準金利を3.6%のまま維持すると見込んでいます。

さらに注目すべきは、利上げ期待の変化です。家計支出のデータ公表前、2026年5月の利上げ確率はわずか18%でしたが、データ発表後には55%に跳ね上がっています。これは、投資家がオーストラリア準備銀行の緩和サイクルを終え、利上げに向かう信頼を明確に高めていることを示しています。

機関は豪ドルの展望に楽観的

複数の金融機関が豪ドル対米ドルの今後の動向について楽観的な見方を示しています。オーストラリア国民銀行（NAB）は、2025年12月に豪ドル/米ドルが0.67に達し、2026年6月には0.71に上昇すると予測しています。西太平洋銀行の予測はさらに積極的で、2026年3月に0.69、9月に0.70、年末には0.71に達すると見ています。オランダ国際協力銀行（ING）は、2026年第2四半期に豪ドルが0.68に達し、年末には0.69になると推定しています。

現在、市場はすでにオーストラリア準備銀行の政策転換への期待を十分に織り込んでいます。インフレが高止まりし、内需が堅調な環境の中、今年の利下げサイクルから利上げへの移行の可能性が高まっています。