## 優先株：見落とされがちな投資選択肢、実は思ったより良い

株式投資の世界では、多くの投資家が普通株の購入に血眼になっているように見えます。まるでそれだけが投資の選択肢であるかのように。しかし実際には、忘れてはならないもう一つのツールがあります。それが**優先株**です。普通株ほど注目されていませんが、多くのメリットがあり、あなたのポートフォリオをより堅実にする手助けとなるでしょう。

### なぜ優先株は思ったより良いのか？

優先株と普通株を比較すると、主な違いは権利とリスクにあります。優先株の保有者は株主総会での議決権を持ちません。議決権を持つのは普通株の保有者だけです。

しかし、それはデメリットではありません。逆に、**優先株**の保有者は常に普通株より先に配当を受け取り、会社が清算される場合には、資産売却から得られる金額を優先的に受け取ることができます。これらの仕組みにより、**優先株**はより安全性が高く、リスクを抑えたい投資家に適しています。

### 優先株にはどのような種類があるのか？

**優先株**は一種類だけではありません。さまざまな形態で発行されており、投資家の選択肢を広げています。

**第一タイプ：配当の累積と非累積**
投資家は一定の配当率に従って定期的に配当を受け取ることができますが、場合によっては会社が配当を支払わない年もあります。その場合、未払いの配当は累積され、後に支払われる仕組みです。これにより、長期的には会社の価値向上にも寄与します。

**第二タイプ：買い戻し可能と不可**
一部の優先株は、会社側が自己の判断で買い戻すことができる条件付きのものもあります。投資家は、ある期間中に株式が買い戻される可能性があることを理解しておく必要があります。

**第三タイプ：転換可能と不可**
投資家にとって魅力的な選択肢です。優先株を普通株に転換できるかどうかのオプションが付いています。これにより、柔軟性が増します。

**第四タイプ：配当を受け取る・受け取らない**
一部の優先株は一定の配当を受け取ることができ、他の株は会社の業績に応じて追加配当を受け取ることもあります。中には配当を全く受け取らないタイプもあります。

### 優先株に投資するにはどうすればいい？

**優先株**の購入は、普通株の購入とほとんど変わりません。二つの方法があります。

**第一の方法：新規発行市場**
企業が新たに**優先株**を発行した場合、投資家は最初から購入登録が可能です。指定された価格で資金を振り込み、株式は株券または無記名口座に入金されます。

**第二の方法：二次市場**
新規発行を逃した場合でも、証券取引所で購入可能です。ただし、流動性は普通株よりも低いため注意が必要です。証券取引所では、**優先株**には末尾に“-P”の記号が付いています。例：KTB-P、SCB-P、BH-P。

### 実際の配当例を見てみよう

サイアム商業銀行の優先株 (KTB-P)の配当例は以下の通りです。

2021年：優先株KTB-Pは0.4295バーツの配当を支払い、普通株KTBはわずか0.275バーツです。

2020年：優先株は0.9075バーツ、普通株は0.753バーツ。

2019年：優先株は0.8725バーツ、普通株は0.718バーツ。

このデータからわかるのは、配当収入だけに関心があり、議決権にはこだわらない場合、銀行の**優先株**を保有する方がより良いリターンを得られる可能性があるということです。

### 優先株の制約事項に注意

最大の欠点は、売却が難しいことです。流動性が非常に低いためです。急ぎで資金が必要になり、買い戻し前に売却したい場合、あまり良い価格で売れるとは限りません。したがって、長期的な視点で投資し、短期売買による利益を追求しないことが重要です。

### 誰が優先株に投資すべきか？

**優先株**は次のような投資家に適しています：
- 利益よりも安全性を重視する投資家
- 配当による安定したキャッシュフローを求める人、日常生活の資金源として
- 税制上のメリットを享受できる大規模な機関投資家や企業
- 株主総会の議決権にこだわらない投資家

まとめると、**優先株**はすでに実績のある投資手段です。普通株ほどの人気はありませんが、安全性と資産成長のバランスを求める投資家にとって、ポートフォリオに優先株を加えることは検討に値します。