ひとつ伝えておきたいことがある。米連邦準備制度理事会（FRB）の量的引き締め（(QT)）プログラムが、今夜米東部時間の11:59をもって正式に終了する。この出来事が暗号資産業界にとって何を意味するのか？簡単に言えば、市場からの資金吸収が今後は継続的に続かなくなる、ということだ。

まずはロジックを整理しよう。QTの終了は即座に金融緩和が始まることを意味するわけではないが、少なくとも引き締めフェーズが完全に終わったことは確かだ。銀行システムの流動性圧力は明らかに緩和され、米国債の利回りが上昇し続ける勢いもここでブレーキがかかるはずだ。さらに重要なのは、BTCのような高ボラティリティ資産が、これまで流動性ひっ迫で抑え込まれていたバリュエーションを回復する余地ができるということだ。

もちろん、QT停止と量的緩和（(QE)）の再開は全く別の話だ。今の状況は、ブレーキを踏み続けるのをやめてアクセルから足を離した、といった状態に近い。市場は次の一手を探り始めている——利下げはいつか？バランスシート拡大はあるのか？政策の底打ちシグナルはすでにかなり明確になってきており、受け身のバブル圧縮から、積極的に市場を支える方向にシフトしつつある。この転換はリスク資産にとってはチャンスだ。

BTCは今回の恩恵を確実に受けるだろう。流動性環境が改善すると、なおかつ市場が利下げを完全に織り込んでいない今は、高い弾力性という特性がより強調される可能性が高い。歴史を振り返っても、流動性が転換するタイミングでは、BTCのパフォーマンスは基本的に非常に良好だった。