今回のFRB（米連邦準備制度）の利下げは、嵐の前の静けさに過ぎないかもしれません。

市場は木曜未明3時の利下げ決定に注目していますが、本当の勝負はその30分後——パウエル議長の3時30分の発言が本番です。彼はこれまで「利下げには消極的」と明言してきましたし、今回の利下げも妥協に近いもの。だからこそ、彼が柔らかい発言をするとは期待できず、おそらく強硬な言葉で市場の期待に冷や水を浴びせ、「利下げ停止」への布石を打つ可能性が高いです。

問題は、金利が3.5%まで下がってもまだ中立水準であり、歴史的に見れば決して高くありません。しかし、インフレ率は依然として3%付近に粘り、FRBの目標である2%とは大きな開きがあります。経済指標も崩れておらず、想定以上の強さを見せています。この状況では、FRBがこれ以上金融緩和を続ける理由はほとんどない——これこそパウエルが繰り返し述べている論理です。

私の見立ては？利下げ発表後、市場は急落する可能性が高い。今は高値圏で空売り（2倍レバレッジの長期ポジションなど）を仕込むのが適しており、現在のベアマーケット（弱気相場）ムードと相まって勝率は悪くないはずです。もちろん、慎重派は様子見を選び、本格的に下がりきった来年に底値買いを狙うのも良いでしょう。

転機は来年後半。トランプ陣営が政権を握れば、積極的な利下げ政策が打ち出されると予想され、流動性が再び潤い、市場に新たな上昇サイクルが訪れます。

今後半年は厳しい時期となりますが、これは強気相場の終わりではなく、単なる中休み。警戒を怠らず、夜明け前の暗闇で出遅れないようにしましょう。