米国の規制姿勢が、本当に変わり始めています。

ごく最近、SECがCitadel Securities、Coinbase、Galaxyといった有力機関と一緒に、トークン化規制について話し合いの場を持ちました。この対話はかなり緊迫したものでした。伝統的な金融側と暗号資産側で、「分散化」をどう定義するかについての意見の対立が、ついに公然と表面化しました。

とはいえ、議論は激しくても、本当に注目すべきは規制の考え方が変化している点です。従来の「まず罰金ありき」の強硬な執行から、「情報開示やコンプライアンスをどう現実的に実現するか」という探索型へとシフトし始めています。これこそが実質的な進展です。

**いくつかの重要なシグナル：**

**SEC議長Paul Atkinsの発言**が軟化しました。彼はイノベーションと投資家保護のバランスを取る必要があると明言し、新技術にコンプライアンスの道を開くべきだと強調しました。これは以前ではあまり聞かれなかった発言です。

**Coinbaseも妥協の姿勢を示しています**：分散型取引所(DEX)が、一定の範囲で中央集権型取引所のコンプライアンス責任を負うことに同意する用意がある、ただしルールが明確に定義されることが前提です。これは業界が単純な対立から、実行可能な枠組みの模索に移行していることを意味します。

**Citadelの提案はさらに直接的です**：SECに「十分に分散化された」セーフハーバー制度を設けるよう提案し、分散化の度合いを証券法適用の核心基準にするというものです。この提案が実現すれば、ゲームのルールが一変します。

**私の見解：**

もし「分散化セーフハーバー」が本当に導入されれば、「すべてのトークンが証券」という論理が自動的に崩れます。市場への影響は非常に大きいでしょう。

短期的には、ETH、SOL、AVAXのようにすでにかなり分散化が進んでいるパブリックチェーンのトークンが直接的な恩恵を受けるはずです。主流DeFiプロトコルのガバナンストークンも同様です。長期的には、米国が再び暗号イノベーションと資本の集積地となる可能性が高まります。

2025年は、米国の暗号規制が厳冬から春へと転換するターニングポイントになるかもしれません。

コンプライアンスへの道筋が整い、機関投資マネーのゲートも緩み始めています。分散化分野のリーディングプロジェクトは、今からでも十分に仕込む余地があります。ルールが固まって、マーケットが一巡した後に慌てて動くのでは遅いかもしれません。